【川越】蔵の街川越の「花とカフェ une brise」

ドライフラワーには古い蔵が似合う

小江戸川越の蔵造りの街並み「一番街」に昨年8月オープンした、ドライフラワーとカフェの店「une brise」(ユヌブリーズ)。店舗は明治33年建築の重要文化財「蔵」を囲う、ガラス張りの建物。「蔵」は川越のシンボル「時の鐘」と同じ棟梁による建築です。川越の古い街並みや蔵の趣あるたたずまいがドライフラワーに程よくマッチしています。

天井一面に広がるドライフラワー

店名はフランス語で「やさしいそよ風」という意味。「花や音楽、香りなどを五感で感じる、そよ風のような居心地の良い空間にしたい」という思いが込められています。併設のカフェと、天井一面に広がるドライフラワーの香りに包まれて、なんとも優しい落ち着いた雰囲気の店です。

「蔵はドライフラワーにとって重要な調湿性に優れ、趣もあります。蔵で店をやりたい!と思いました」と話すのは、同店店長であり、障がい者就業支援事業所「きぼう工房」社長でもある松永美湖(よしこ)さん。「蔵といえば川越」という発想から川越に店をオープンすることにしたそうです。

ドライフラワーは生花を美しい状態のまま乾燥させたもの。季節を問わず長く鑑賞できます。
カフェでは1日限定20食のランチ(1000円)が人気です。

誇りを持って働ける場を

店をオープンしたのは、きぼう工房のメンバーが誇りを持って働ける場をつくりたかったからだとか。「障がいがある方たちも、実際は優れた能力があり、即戦力として働ける力があるということを多くの人に知ってもらいたい」と松永さんは話します。

また、「仕事を創出するためには、一流のものを提供し続けることがとても大事」とも。花の畑づくりから販売まですべてに携わることにこだわり、「良いものをつくり続けていく」ことを心がけているそうです。

松永さんがこの蔵と出会ったのは、新型コロナウィルスが猛威を振るいはじめた昨年4月。大変なことも多々あったそうですが、「コロナ禍だったからこそ出合えた建物や地域の方々との交流を大切にしていきたい」と語ってくれました。

松永美湖店長(左)とユヌブリーズのスタッフ。後ろは重要文化財の蔵を生かした店
取材日:2021年3月16日
水越初菜