【さいたま】憩いの場だけじゃない!「さいたま市 市民の森」 のもう一つの顔

農業を陰で支える施設

見沼グリーンセンターの円形の 展示温室(奥)と農業研究のための栽培スペース

昨今、新たに家庭菜園を始めたり、食材に注目するなど、農業や園芸に関心が高まっています。農業に関する研究やサポートをしている施設があることをご存じでしょうか?

さいたま市北区にある「市民の森」は面積約14万㎡の広大な敷地を持ち、四季折々の自然を感じられる、市民の憩いの場です。緑豊かな芝生広場、自然に近い環境でシマリスが放し飼いにされている「リスの家」などがあります。

この市民の森に、さいたま市の農業振興を目的に試験栽培を行う「見沼グリーンセンター」が併設されています。

同センターの渋谷広喜さんと田島有紀さんにお話を伺いました。
「こちらでは、農家の方から試してみたい栽培方法などの相談を受けて試作したり、情報提供をしたりしています。展示温室の中にある育成スペースでは、現在、新しい技術を用いた方法でサラダホウレンソウとパプリカを栽培中です。また、キウイやブドウなどの果樹や、さつまいもやホップ、栗など様々な植物の栽培方法や適性について調査をしています」

展示温室はIT農業施設として2018年にリニューアルされ、先進的な農業技術の普及と、新たな農業ビジネスモデルづくりにも役立っています。

農家を支え、さいたま市の農業になくてはならない存在なのが、見沼グリーンセンターなのです。

市民農園や親子体験で農業が身近に

市民農園(5m×5m区画)の様子

実際に、植物を育ててみたい、作物を収穫したい、と思っている方もいるでしょう。同センターには市民農園があり、農業用の土地を区切って貸し出しています。

「毎年1月、さいたま市民を対象に募集がありますが、コロナウイルス対策の影響か、応募倍率は高くなっています。今の時期は夏野菜を育てている方が多いです」

また、親子で農業体験もできます。こちら は毎年3月に 申し込みを受け付け、抽選に当たると参加可能です。

親子体験では4月~12月の期間中、鍬(くわ)を使い、種まきのための畝(うね)づくり から、除草などの手入れ、収穫まで、ボランティアの方や職員のレクチャーを受けながら体験できます。時期によって植える植物も違うことを実感でき、力が必要なキャベツや白菜の収穫もできるそうです。
刃物も使うので、申し込めるのは小学4年生以上。本格的な農業体験ができそうです。

   ◆取材を終えて

我が家でも最近、ミニトマトとイチゴ、ハーブをプランターで育て始め、栽培のおもしろさを感じ始めたところです。今回お話を伺って、憩いの場として親しんでいた見沼グリーンセンターに、農業振興という一面があったと知り、頼もしく感じました。

取材日:2021年5月24日 塚大あいみ