【子育て】ブロック博士が教える、プログラミング思考を育むおもちゃの選び方

子どもへのプレゼントを迷っている人も多いのではないでしょうか。
“ブロックはかせ”として「ブロック道場」を開講し、「埼玉大学教育学部 野村泰朗准教授 STEM教育(※)研究センター」の「ロボットと未来研究会」で講師も務める前原浩さんに、なぜプログラミング的思考をのばすためにブロック遊びをすすめるのか、また、子どものおもちゃの選び方などについて聞きました。(以下敬称略)
※STEM教育=Science(理科)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字を取り、創造性や独創性を持って問題を解決し、新たな価値を創造できる人物を育成するための教育のこと。

                         前原 浩さん

ブロック遊びが磨くプログラミング的思考

――なぜプログラミング力を育(はぐく)むために、ブロック遊びをすすめるのですか?

前原 プログラミングに必要なのは「問題解決を目指して道筋を考える力」です。その土台を育むのにブロック遊びが適しているからです。
ブロック遊びは、自分で考えながら組み立てていきます。自分の指先を使い、うまくいかない時の間違いは自分の目で探す。感覚も刺激されますね。経過を体験する遊びなんです。
プログラミングと共通しているのは、「目指す結果を設定し、組み立てる」こと。ブロック遊びとプログラミングはつながっているんです。

ブロック遊びの広げ方

――小さい子どもは、同じ大きさのブロックを積み木のようにひたすら積み上げて遊びます。次のステップは、どのように遊べば良いのでしょうか?

前原 ブロックを積み上げることができたら、それを壊してみましょう。そうすると、「壊れる」という認識が生まれますね。壊れてしまうことを理解できたら、高く長く積み上げることを目指してみましょう。ブロック塀のように組み合わせていけば、縦横に伸ばせます。さらに丈夫になり、壊れにくくもなります。壊れにくい作品から、「どんどんつなげたい!」という意欲が沸くんです。
壊れず長く作れることは、ブロック遊びの基礎。基礎があっての創造です。

小さい子でも安全に楽しめる大きめのブロック

――キャラクターがテーマのブロックセットを購入すると、取扱説明書を見ながら見本通りに作って完成したら終わりになってしまいます。遊びが広がる方法はありませんか?

前原 完成させることはとても大切なことです。達成感が生まれ、成功体験になりますよ!
ですが、見本と同じになるよう取扱説明書通りに作ると、「どうしてこうなっているのかな」という疑問が浮かびにくいかもしれませんね。
完成したらバラバラにして、他のバリエーションを作ってみましょう。できなかったら、どうしてできないのか理由を考え、取扱説明書からできる方法を探します。取扱説明書はテクニックの宝庫です。
ブロック遊びは積み重ねが大事。考え方の引き出しを増やすことにつながります。

子どもにプレゼントするおもちゃの選び方

――子どもにおもちゃをプレゼントするとき、何をポイントに選べば良いでしょうか?

前原 子どもの年齢によって、重視したいポイントが変わってきます。
乳幼児期の子どもの場合、何より大切なのは「安全性」です。
おもちゃには対象年齢がありますね。対象年齢は「その年齢なら安全に遊べます」という意味合いも大きい。すぐ使えなくなるからと、対象年齢の高いおもちゃを小さな子どもに渡すのはお勧めできません。
安全性を踏まえたうえで、付け加えたいポイントは「五感への刺激」です。ピカピカ光ったり、鈴の音がしたり、デコボコしているものなど、動きがあって楽しめるおもちゃが良いですね。

幼児期を超えた子どもには、「知育」がポイント。手先が器用になってくるので、小さめのブロックも扱えますね。小学校低学年以上には「運動」もキーワードになります。おもちゃやプレゼントを通して、体を元気に動かそうという気持ちに子どもがなってくれると、親はうれしいものです。大人も一緒に遊べるかもしれません。

小さめのブロックは創作の可能性を広げる

小学校中学年以上にプレゼントするときは、「制作」のきっかけをつくるチャンスです。簡易ミシンや、プラモデルとニッパーやピンセットなどの模型用工具、自分で作る制作キットがおすすめ。物を大切にする心も育めますよ。ブロックならモーターを組み込むことができるようなレベルの高いものもチャレンジできるでしょう。

――キャラクターものやゲームソフトをおねだりされてしまいがちです。

前原 悪いことではありませんよ。好きだという気持ちはとても大切! だからこそ、所有したい気持ちより、そのおもちゃで何ができるかという目的を意識して選んでみてはいかがでしょうか。好きなキャラクターのフィギュアやぬいぐるみを作れるキットなど、好きなものと結びついて成長にもつながるものをプレゼントしてみましょう。

おもちゃは楽しいものです。大人の一方的な押し付けにならないように、くれぐれも気をつけたいものですね。

取材日:2021年11月11日、12月5日
塚大あいみ