“腸活”にこだわる発酵食品と酵素玄米の店「醸(かも)しな家庭料理や陽子さんち」は春日部市の住宅街にあります。
腸活とは、バランスのとれた食生活と適度な運動により腸内環境を整え、体の免疫力を高めることをいいます。「そのためには毎日の食事がとても大切ですが、特に力を発揮するのが発酵食品です」と店主の小森陽子さん。
心の安定は食から
陽子さんの家庭は、ご主人も子どもたちもバスケットボールが大好きなバスケットボール一家です。かつては小学生チームのコーチをしていたご主人。陽子さんはその活動をサポートしていました。
あるとき、チームの子どもたちの表情などから、元気がないと感じることがありました。話を聞いていくうちに、母親が悩みを抱えていたり、表情が暗いことが原因のひとつであるということがわかったそうです。
「子どもたちのサポートは主人が、母親たちのサポートは私がしたいと思いました」と陽子さん。
そのころ、調理師免許やアスリートフードマイスターの資格を取得した陽子さんは、食生活と心の両面からサポートしていくのが良いのではないかと考えました。チームへ積極的に差し入れをしたり、母親たちに食事のアドバイスをすることにより、少しづつ信頼関係を築いていきました。徐々に悩み相談を受けるようにもなったそうです。母親の心が安定すると、子どもも落ち着きを取り戻したのだとか。
「食生活を見直すことで、体が健康になるのと同時に心も安定するんですよ。だから食べ物ってすごく大事なんじゃないかな。腸内環境を整える“腸”の役割とはどういうものなのだろう?」というところから、腸と心、発酵食品の勉強を始めたそうです。
こうした経験を経て、バランスのとれた食事の大切さを伝えたいという思いから同店をオープンしたそうです。
“田舎のおばあちゃんち”のような場所に
「おいしいご飯を食べながらのんびり話したり笑ったりして過ごせるような、まさに田舎のおばあちゃんちのような場所にしたいです」と陽子さんは語ってくれました。
当面のあいだ営業は月末のみ、予約制。自家製発酵調味料(100g450円)の販売もしています。発酵調味料作り講座や味噌作り講座も開催。
◆取材を終えて 陽子さんはセルフケアの「髪活」にも力を入れていて、日本でも注目され始めた「ヘナ」のインストラクターの資格を取得しています。また、ヨガのインストラクター資格の取得もめざしています。ヘナもヨガもすべて健康とつながっていると話してくれた陽子さんが印象的でした。 取材日:2022年9月1日 水越初菜