【創業支援】創業前から後まで全力サポート創業・ベンチャー支援センター埼玉

創業・ベンチャー支援センター埼玉(以下「創べ」)は、創業を目指す人や経営の悩みを抱える創業者に対し、さまざまな面からサポートをしている公的な総合支援機関です。

創ベの主な支援内容と相談業務を担当しているアドバイザーのコメント、また10月27日に開かれた創ベ主催「女性創業者交流会2021」の様子を紹介します。

●住所 さいたま市中央上落合2-3-2
(JR埼京線・北与野駅北口前)
新都心ビジネス交流プラザ3階

●TEL 048-711-2222

●利用時間 月~土曜日・9:00~17:00
※祝日および12/29~1/3を除く

●運営 公益財団法人埼玉県産業振興公社

事業を成功へ導く 創ベの主な支援内容

事業を成功へ導く 創ベの主な支援内容

創業・経営に関する相談対応

事業計画の見直しや商品の販路開拓、資金調達の方法など幅広い相談内容に、知識・経験豊富なアドバイザーが無料で応じています。創業したいが、何から始めていいか分からないといった人も受け付けています。利用には電話やメールでの予約が必要です。

アドバイザーは全13人。女性相談者を専門とするアドバイザーもいます

セミナー・ワークショップの開催

創業を目指す人向けのセミナーや、女性創業者対象のワークショップ、経理の基本が学べるセミナーなど、創業前後の人に役立つ多様なテーマで1年を通して開催しています。

女性起業支援ルーム「COCO(ココ)オフィス」の設置

創業を目指している、または創業間もない女性のための会員制コワーキングルーム(※)です。料金は月額5230円。無線LANやコピー機などが完備されているほか、住所利用も可能です。会員は、オフィス専任のアドバイザーに相談したり、セミナーに参加したりして創業者としての力を付けていきます。
※スペースや事務機器などを共用しながら、それぞれが独立した仕事を行う場所

相談業務の担当者 アドバイザーにインタビュー

相談業務の担当者 アドバイザーにインタビュー

日々、創業希望者や創業者に向き合っているアドバイザー。昨年、創ベで受けた総相談件数は、3,569件に上ります。チーフ開業アドバイザーの正能(しょうのう)修一さん、開業アドバイザーの市倉育江さん、COCOオフィスアドバイザーの吉野太佳子さんにそれぞれの役割や、創業を目指す人への思いなどを伺いました。(以下敬称略)

左から市倉さん、正能さん、吉野さん

――アドバイザーとしてどんな仕事をしているのですか。

正能 「事業プランを見てほしい」「融資を受ける方法を教えてほしい」といった創業前の相談や、「売上が伸びない」「販路開拓の仕方が分からない」など、創業後の悩みに応えています。本人に納得していただけるまで話を聞き、アドバイスをしています。

吉野 COCOオフィスに入所している創業前後の女性の担当をしています。COCOオフィス入所者に対して、相談に応じているほか、年2回の定期面談では、入所者一人一人と会って事業計画を見せてもらい、ブラッシュアップさせています。皆さんを無事に創業者として送り出したいという気持ちで対応していますね。

――やりがいを感じるのはどんなときですか。

市倉 ハードルが高いと感じていらっしゃるのか、勇気を出して来所されたと思われる方も多いです。そうした方が相談後に「自分の悩みがクリアになった」と明るい顔で帰られる様子を見ると、充実感がありますね。

――相談者の傾向を教えてください。

吉野 女性の場合は、創業してしっかり働きたい方と、子育てしながら在宅で働くためにプチ創業を選ぶ方の二つに分かれます。

正能 コロナ禍では自宅待機や離職を機に「自分が持っている技術で開業したい」と、相談に来る方が増えています。若い方も多いですね。業種としては、キッチンカーやテイクアウトの店などコロナ禍を反映したものが多い印象です。

―――創業して成功するポイントを教えてください

正能 事業計画を綿密に作って、無理のない投資でコツコツやっていくことですね。当たり前のことですが、借り入れたら返さなければならないので、きちんと計画して進めていくことが何よりも大切です。

市倉 事業に対する情熱です。最初は夢中で頑張る人はたくさんいますが、その思いを継続していくことが大切だと思います。

吉野 お二人の話にプラスするとしたら、行動力ですね。考えているだけではなく、自ら動く人は形になっていきます。“走りながら考える”という感じでしょうか。

――創業を目指す人へ応援メッセージをお願いします。

正能 夢を持って着実に行動を起こしてください。創ベが支援します。

市倉 一人で悩まず、ここでたくさんの力をもらって創業へのスタートを切ってもらいたいです。

吉野 自分の人生は自分で作っていくもの。できないことなど何一つありません。できると信じて頑張ることを大切にしてほしいです。

39名が集合! 女性創業者交流会2021

39名が集合! 女性創業者交流会2021

自分の事業をアピールしてビジネスチャンスを見つけたり、ネットワークを広げたりするきっかけとするため、女性創業者を対象にした交流会が10月27日に開かれました。当日の様子をリポートします。

経営のヒントを学ぶ「特別講演」

交流会の会場は、創ベの事務所のある新都心ビジネス交流プラザ。会場の壁沿いには、事業所別に参加者が持参したパンフレットや商品などが並べられています。サービス業や小売業、デザイン業など業種はさまざまです。
参加者は、4、5人ずつ8つのテーブルに分かれて着席。早速、名刺交換を始める人たちもいて、既に活気づいています。

会場内の様子。参加者が持参したパンフレットや商品も展示

間もなく、第1部の特別講演が始まりました。講師は、COCOオフィスアドバイザーであり、中小企業診断士の吉野太佳子さん。テーマは「女性創業者のための経営のヒント~アフターコロナ 新たなる価値創造に向けて」です。

吉野 太佳子(よしの たかこ)
cocoオフィスアドバイザー
(中小企業診断士・上級ウェブ解析士)

夢を叶えるのは、すべてひとつの行動から始まります。勇気をもって、一つひとつ行動を積み上げることで、今日と違う明日が待っています。 そんなあなたの行動を精一杯サポートしていきます。

壇上の吉野さんは、コロナ禍で業績が悪化したものの以前と同等、またはそれ以上に回復させた女性創業者の事例を5つ紹介。SNSでの発信を始めたり、新商品やサービスを作り出したりと新たな取り組みを行ったことが成功のカギとなっていて、中にはコロナ前に比べ230%も業績をアップさせた創業者もいるとのことでした。吉野さんは、既存事業の強みを生かして工夫する大切さを丁寧に説明し、最後に「新たな価値の創造を応援しています」とエールを送りました。
参加者の皆さんは、熱心に聞き入り、メモを取る人の姿も見られました。

グループトークで盛り上がる会場

休憩を挟み、第2部へ。メインは、グループトークです。着席しているテーブル内の人たちと名刺交換や自己紹介などで20分間会話を楽しんだら、次のテーブルに移動。そこで新たな人たちと顔を合わせ、また自己紹介から始めます。新型コロナウイルス感染症対策により各自マスクを着用しているうえ、テーブルがアクリル板で仕切られているため、声が届きにくい状況でしたが、皆さんはなんとか自分の事業内容を知ってもらおうと、身振り手振りも交えて伝える努力をしていました。笑い声が上がるテーブルもあり、活発なやり取りが感じられました。

閉会は16時でしたが、その後1時間は会場で自由に商談や歓談ができるとあって、多くの人がその場に残り、交流を続行。終始、熱気に包まれ、盛り上がりを見せた交流会となりました。

取材を終えて

創ベのサポート内容を詳しく知り、その手厚さに驚きました。アドバイザーの皆さんは、とても明るく話しやすい方ばかりでした。自分の力を試したい人、新しい人生を切り開きたい人、まずは相談してみたら確実に一歩前進すると思います。

取材日:2021年10月27日
矢崎真弓