地域の集まりなど、初対面の人と出会う場で、職業を聞かれることがあります。「ライター」だと答えると、たまに「すごいね」と言われたりするのですが、私はその言葉にいつもとても戸惑います。
ライターは、資格などを取得することなく、名乗ってしまえば、とりあえず誰もがなれる職業です。私としては、一度に多くの幼い子どもに目を配り、その命を守らなければならない保育士などは本当にすごいと思います。
職業ではなくても、手早くおいしい料理を作ったり、細かな気配りができたり、決して愚痴を言わなかったりと、私にできないことをしている人は、自分にとって「すごい人」です。
だから、私は「すごい」と言われたら、「すごくないですよ!」と言い返してきました。
そこで、人はどんなときに「すごい」と言うのか、思うのか、考えてみました。辞書を引けば、意味は明記されているはずですが、私なりの一つの答えとしては「すごい」=「今の自分にはできそうにない」。そうシンプルにとらえると、ちょっと納得することができました。ポイントは、“今の自分”です。
もともと興味がない場合は別ですが、もし心の底からそうなりたいと思っていれば、そして努力をすれば、
“今”は無理でも、いつかそこに到達できる可能性があります。到達できなかったとしても、以前の自分とはどこか違っているはずです。
彩ニュースの登場人物の中に、「すごい」と思う方がいたら、なぜ自分はそう思うのか、考えてみてはいかがでしょう。それが、あなたの生き方のヒントにつながるような気がします。
2021年11月
彩ニュース編集部