日本一周と仕事の両立に挑戦

10月からスタートした日本一周の旅が、もう少しで終わろうとしています。
北海道、東北、北陸、九州、四国、中国地方と進んできました。

この旅は「定年退職したら、車で日本一周してみたい」という夫の希望を実現させたものです。
「いつまで元気でいられるか分からない。5年後、10年後には行けないかもしれない。体が自由に動くうちに、今しかできないことを、今やろう」
これが夫の口癖です。

当初、私は、そんなに長期間出かけられるだろうかと迷っていました。
家には介護が必要な母がいます。とうてい無理だと思いました。
でも、母担当のケアマネジャーに相談してみると、そういう事情ならショートステイを利用する方法があると教えていただきました。
「求めよ、さらば与えられん」ということわざがありますが、その通りですね。与えられるのを待つのではなく、積極的に自分から求めて行動すると、何かしら得られるものなのだと実感しました。

もう一つ心配事がありました。彩ニュースの仕事です。
思い切って代表に相談すると、「さまざまな経験が、その後の人生に深みを与えてくれるのだから、行けるときに行った方が良い」と、迷っていた私の背中を押してくださいました。

一方で、ITの進歩もこの旅を後押ししてくれました。
もともと彩ニュースの毎週のミーティングはリモートで行っていましたし、コロナ禍もあって、リモートでの取材も普通のことになってきました。

多くの方たちの理解と協力を得て、「日本一周をかなえながら、今まで通りの仕事をこなす」という挑戦をしてみようと決めました。

こうして思い切って出かけてきた旅先で、いろいろな方に出会いました。
岩手県宮古で星空ガイドをしてくれた冒険家からは「自分の目で足で感じ取ること」の大切さを教えられました。
愛媛県佐多岬でミカンを売っていた84歳の農家のおばあちゃんからは「明るく、たくましく生きること」の美しさを感じました。

ほかにも、宮城県の多賀城址をコツコツ発掘調査している若き技師、福岡県飯塚で車いすテニスのさらなる普及に努める協会の方々など、そのたたずまいからいろいろなことを感じました。
旅が終わりに近づいた今、心のなかに深く残っているのは、こうした方々です。

世の中には、自らの進む道を迷いながらも頑張ろうとしている方がたくさんいらっしゃいます。
私が彩ニュースの仕事をしているのは、そんな方たちに「自分らしく、生き生きと毎日を送ることをあきらめないでほしい」と願い、そのためのささやかな一助となれるような情報をお届けしていきたいからです。
この旅で感じたことや得た経験を、これからの彩ニュースに生かしていきたいと思います! よろしくお願いいたします!

2021年12月
彩ニュース編集部