【地域応援】まちや子どもたちへ元気と笑顔を届ける~埼玉ご当地ヒーローズ

日本全国どこの都道府県にも存在する「ご当地ヒーロー」。個人や自治体、企業など運営母体はさまざまで、その目的や活動内容も異なっています。現在、埼玉県の公認を受けて活動しているご当地ヒーローは、10人(組)です。

<埼玉県公認のご当地ヒーロー>

埼玉戦士さいたぁマン 使命は、埼玉県を元気にしてみんなを笑顔にすること

埼京戦隊ドテレンジャー 子どもたちの健全な成長を目的に戸田市内で活動

みやしろ戦隊ハナレンジャー 宮代町を“花いっぱいのまち”にするために誕生

稲穂戦隊スイハンジャー 北川辺地区の米と平和を守るため、肉体改造に励む5人組

田園戦士かわじマン 日々、川島町の豊かな自然と平和を守り続けている戦士

航空戦士トコロザワン 「空を飛びたい」という思いから生まれた、所沢市のヒーロー

ローカル戦士センガタン 秩父鉄道沿線の活性化と自然環境の保全に向けて活動

家計お助け銭隊FPレンジャー 埼玉県民の家計と平和を守る、お金のヒーロー

彩光戦士サイセイバー 行田市を拠点に、悪いエネルギーから人間の心を救う戦士

坂東武人 武蔵 埼玉を全国にアピールするために誕生。舞台では冒険活劇を展開

活動方法は違っても、ヒーローズの思いは一つ

「埼玉ご当地ヒーローズ実行委員会」は、各ヒーローの運営母体・全10団体のまとめ役を担っています。委員長の古池真吾さんにお話を伺いました。

埼玉ご当地ヒーローズ実行委員会委員長の古池さん。普段は会社員ですが、実はもう一つ、別の顔があります(後述)

「実行委員会では、複数のヒーローへのイベント出演依頼を受け付けたり、公認を受けたいヒーローに県への橋渡しをしたりしています。特定のヒーローを呼びたい場合は、委員会を通さず、直接コンタクトを取ってもらっています」と古池さん。ヒーローが所属する団体の中には、完全ボランティアで活動しているところもあれば、出向くに当たり、規定料金を設けている団体もあり、一律ではないそうです。

「各団体で活動のルールを決めていて、ヒーローとしてのアプローチの仕方などもそれぞれです。でも、“埼玉県を盛り上げたい、埼玉の人を楽しませたい、子どもたちを笑顔にしたい”という思いは、みんな同じです」と古池さんは力を込めて話します。

今できることを見つけて楽しませたい

古池さんは「埼玉戦士さいたぁマン」を演じている、いわゆる“中の人”でもあります。

12年ほど前に友人に誘われてヒーローの道へ。もともと体を動かすことが好きだったこともあり、独学でバク転や側宙などのアクロバットを身に付け、仕事の休みを調整しながらヒーローとして活動してきました。

ヒーローショーでは、子どもたちを楽しませつつ、子育て中の親たちへの応援メッセージを込めたストーリーを展開。さいたぁマンは、“さいたぁビーム”などの技を繰り出して、人間の悪い心から生まれた敵役「アクダーマ」に応戦しています。

「ショーに出るときに大切にしているのは、まず自分が楽しむことです。それが見ている子どもたちに伝わって、初めて楽しんでもらえると思います。子どもたちから『頑張れ!』の声がかかると、いつもより素早く動けたりするので、“応援は力になる”ことが実感できますね」

(上)埼玉戦士さいたぁマンとヒーローショーでの様子。(下)埼玉県公認の複数のヒーローが「ヒーローズ」として県主催のイベントに参加(2019年)

ショーが終わった後は、舞台から観客席に下りて子どもたちと触れ合うのが定番。話さないヒーローもいますが、さいたぁマンは自分の声で子どもたちと会話するため、より身近に感じてもらえるようです。

しかし、この2年、コロナ禍によりヒーローショーは休演が続きました。古池さんは、ショーはできなくても、何かできることがないかと考え、初めてさいたぁマンの動画を作って配信するなど、新しいことに取り組んでいます。「今の状況でも、皆さんに楽しんでもらえる方法はあるはずですから。ヒーローが頑張っているから、自分も今できることを探して頑張ろうと思ってもらえたらうれしいですね」
決してへこたれない、埼玉戦士さいたぁマン。それでこそヒーローだと言えるでしょう。

◆取材を終えて

今回、所属団体の許可を得て“中の人”を紹介させていただきました。自分の声で話すヒーローなので代わりはおらず、日ごろの自主練習が欠かせないとのこと。地域やそこに暮らす人たちへの深く熱い思いを持ち続けていなければ、ヒーローにはなれないと強く思いました。  

取材日:2021年12月7日
矢崎真弓