【川越】「暮らしにアートを」を合言葉に グラスアート「ブルームーン」

吹きガラス体験で自分だけの作品をつくろう

築約200年の蔵を改装した店舗に、現代的なガラス作品がマッチした、グラスアート「ブルームーン」。観光客がにぎわう川越市・菓子屋横丁からほど近い場所にあります。

今から20年前「チャレンジショップ」に応募したことが、店をオープンするきっかけとなりました。「チャレンジショップ」とは、空き店舗問題を解決するための対策として、TMO(商工会議所主体のまちづくり組織)が4年間にわたり実施していた事業です(その後、中心市街地活性化協議会が実施)。

ガラス工房併設が可能な立地を探していた同店店主の吉野正也さんは、「当時、チャレンジショップ部会長をつとめていた、松本醤油の松本公夫社長のご厚意で、敷地内に工房を併設した店舗を構えることができました。社長との出会いがなければ、実現しなかった」といいます。

築200年の蔵を改装した店舗

「暮らしにアートを」は、同店の合言葉です。「飾る」「見にいく」など日常生活とはかけ離れたイメージを持たれがちなアート。「大それたものではなく、家の中にちょっと置いておけるものや、生活の中で使うものにアートとしての面白さを感じてほしい」と吉野さん。心のこもった手作りの作品をいつでも気軽に買うことができて「生活を楽しくする」というのがテーマなのだそうです。

入り口を入ったところでは定期的にさまざまな催しが行われています。現在は「青ガラス展」(2021年7/17~7/30)を開催中ですが、先日までは「夏物展」を、過去には酒器ばかりを並べた「酒器展」を開催したこともありました。店内は、同店スタッフでもある作家らによる作品も多数販売しています。スタッフとして働く傍ら、工房で技術を身につけた作品は、個性的で熱量が高く、とてもおもしろいと評判です。作家自身も、目の前で購入してもらえることで、やりがいにつながっているようです。

涼しさを呼ぶ作品がそろった「夏物展」

同店では併設の工房で、オリジナルのガラス作品を作ることができます。コップや花瓶などの本格的な吹きガラス体験(5歳から)や、はしおき作りの簡単なコースまでさまざまです。
吹きガラス体験1人4200円、はしおき作り体験同800円。

店内や工房は風通しがよく、密になりにくいようコロナ対策に気を付けているそうです。

  ◆取材を終えて

10年程前から何度か作品を作りに訪れました。コップや花瓶、はしおきは、今も大切に使っています。夏休みを利用して、自分だけのガラス作品を作ってみてはいかがでしょうか。色や模様を悩みながら作るのはおもしろいですよ。

取材日:2021年6月29日
水越初菜