【さいたま】手作りのペット服でもっとかわいく快適に ~手作り犬服製作教室

さいたま市の「melody★house」(メロディハウス)では、ペット用の服を手作りする講座が開かれています。講師を務める渡辺さんは、トリマーでAHT(アニマルヘルステクニシャン)として動物病院で勤務していた経歴を持つ、ペット対応のプロフェッショナルです。

渡辺さんと“店長”の愛犬メロディ
渡辺さんと“店長”のメロディ

子どもの不要になった服を愛犬用にリメイクしたことをきっかけに、ペット服の手作りの面白さに目覚めた渡辺さん。ペット服を自身でデザインし販売するだけではなく、「一般社団法人日本ペット服手作り協会®ドックウェアクリエイター認定講師」資格も取得し、ペット服を手作りする楽しさを広めています。渡辺さんにお話を伺いました。

初心者でもできる手作りペット服

講座で使用する型紙(犬用)と布地
講座で使用する型紙(犬用)と布地

手作りなら、好きな柄やデザインの服を最愛のペットに着せられます。ペット用の服を作るのは難しくないのでしょうか。

「ペット用の服も、人間の服と同じように作成します。採寸し、サイズに合う型紙に沿って生地を裁断、ミシンで縫い合わせたら、飾りやボタンをつける、という流れです。人間の服と違うのは、毛並みの流れを意識する点ですね。犬用の場合、型紙サイズは小型のチワワから大型のグレートピレニーズまで17パターン。ペットウェアフィッターの資格も持っているので、必要であれば補正をして製作します」

渡辺さんの教室では、基礎を学ぶコースをはじめ、初心者向けの体験プログラムや本格的に講師を目指す人向けのクラスなど、レベルや目的に合った講座を用意しています。

「普段から手芸を趣味にしていなくても大丈夫。まずは簡単なつくりのタンクトップやベストからはじめて、フード付きや袖付きのデザイン、ニット生地やフリルを扱えるようになっていきます。裁縫に苦手意識を持っていた生徒さんもたくさんいますが、みなさん着実にレベルを上げていくんです。考えたものが形になる面白さに目覚めるんですよね」

ペット服の製作をきっかけに、人間の服や小物にも挑戦し、製作の世界を広げていく人もいるそうです。

かわいいだけじゃない! ペット服を着せる意味とは

手作りペット服の見本。いろいろな服が製作できます
手作りペット服の見本

「ペットに洋服を着せるのは、着飾ってかわいく愛(め)でたいから、という理由だけではありません。ペットと人間が共存する上での困りごとを解決するひとつの手段でもあるんです」

ペット服を着せるメリットはどのような点にあるのでしょうか。

「まずは、抜け毛対策。換毛期になると、触れるだけで毛が舞い上がってしまう犬種もいます。マーキングを防ぐパンツなども同様で、服を着ることで、マナーを守ることにつながります。草むらが大好きなペットに着せておくと、汚れ防止と害虫対策にもなりますね。服で体温を調節してあげられるので、気温や紫外線に対応もできます。また、病気やケガをしているペットに対しては、体を保護し、見た目を良くする機能があると言えます」

手作り服は、そのペットのためだけのオーダーメイドです。ペットが快適に過ごせる手助けになると、渡辺さんは考えています。

「写真映えより、ペットがドッグランで走れるかどうか、公園で楽しめるかどうかなど、ペットが動きやすく、着せやすい服にすることを心がけています。ペットと人間、お互いがより良くいられることが何より大切だと思うからです」

◆取材を終えて

ペット服がかわいさを求めているだけではないという視点に、驚くばかりでした。「天災で避難しなければならないとき、ペットが一緒だとマナーを守る必要がありますよね。ペット服が助けになってくれるかもしれません」と言う渡辺さんの笑顔が印象的でした。

取材日:2022年6月3日
塚大あいみ