秩父にある「いたづら工作室」は、自然に囲まれながらものづくりが楽しめる工房です。
「自然や風を近くで感じられるウッドデッキは、私の自慢です」とかわいらしい笑顔で語る、同工作室の宮窪澄恵(みやくぼ・すみえ)さん。荒川の山々が見渡せるのどかな空間でシルバーアクセサリーやトンボ玉などをつくることができます。
子育て中でも、ものづくりを楽しむ
宮窪さんは小さい頃からものづくりが好きで、都立工芸高等学校金属工芸科で金属工芸を学び、アクセサリー業界の会社へ就職。結婚後は退職し、身の回りのものを使い、子どもたちと一緒に収納アイテムなどを創作して楽しんでいたといいます。
「子どもたちの手が離れてきた頃、自分のアトリエを持ちたいと考えはじめました」と宮窪さん。秩父にある中津川によく遊びにきていたことや、そばが好きだったこともあり、自然の中で子育てができ、ソバの名産地としても知られる秩父に移住を決めたのだといいます。
心地よい空間で作家気分が味わえる
同工作室では、どんな作品にしようか考える作業から始めます。たとえばシルバーアクセサリーは、デザインを考えてから銀の地金を切ったり折り曲げたりしていくのです。「お手伝いはしますが、作品作りを楽しんでくださいね」と宮窪さん。
シルバーでつくるオリジナルリングも、バーナーであぶりながらパーツを溶かし込んでつくるとんぼ玉も、自分ですべてを作りあげていきます。
慣れていないと苦戦することもありますが、自分だけのオリジナル作品を作ることができます。
また創作体験だけでなく、グループや家族でランチやお菓子を持ち寄ったりして、日常を忘れ、ゆっくりと過ごす時間を楽しんで欲しいとのことでした。
◆取材を終えて いたづら工作室は「1日のんびりと日々の忙しさから逃れて、ものづくりに没頭しましょう」という理念に共感して、千葉県にある工房からのれん分けを受けたそうです。「この理念を引き継ぎ、みなさんが楽しめる時間をお手伝いしていきたい」。宮窪さんのいきいきした言葉が印象的でした。 取材日:2022年6月4日 田部井斗江