収穫の秋。子どものころ、芋掘りをしたという人も少なくないのではないでしょうか。
三芳町には、特産品である「富の川越いも」の旗を掲げた29軒の直売所が立ち並ぶ「川越いも街道」があります。
武蔵野の大地にある川越藩と、三芳町を含む隣接する地域で生産されるサツマイモが「川越いも」といわれています。
荒れた土地からはじまったサツマイモ畑
芋掘り体験が予約制となっている農園が多いなか、「はやし園」は予約をしなくても飛び込みで体験できる農園です。
「敷地内には広い駐車場を備え、掘りたいときに来ていただけるようにしています」と話してくれたのは、はやし園の林千郷(ちさと)さん。
1694年(元禄7年)に初代・伊左衛門が入植、代々農業を営んできました。「近くには川もなく米を作ることもできない。荒れた土地でも作れる野菜はないのだろうか」と考えた伊左衛門は、落ち葉をたい肥にした循環型農業をはじめました。
今も毎年1月~2月頃には落ち葉をたい肥にして、畑にまいているそうです。
1年中楽しめる観光農園に
千郷さんは、ハーブの上級インストラクター(NPO法人ジャパンハーブソサエティー)の資格を持っています。芋堀りシーズン以外にも、併設のレストランを訪れた人などに1年を通して楽しんでもらえるようにという思いから「ハーブ&ローズ・月の原ガーデン」を造りました。「イングリッシュガーデンの先には、イモ畑が広がっているイメージです」と千郷さん。
敷地内では、自家製ソフトクリーム(400円)も販売。「ソフトクリームやレストランをとおして、三芳町の良さを知ってもらえればいいなと思ってやっています」と千郷さんは話してくれました。
◆取材を終えて 取材の前に、久しぶりに芋堀り体験をしてみました。「ツルを切らないように掘るといいですよ」とのアドバイスのほか、持ち帰ったあとの保存方法まで丁寧に教えてもらいました。はやし園のホームページには千郷さんによる、サツマイモのレシピがいくつか紹介されています。 取材日:2022年9月21日 水越初菜