ウサギを飼いたい! 専門病院の先生に教わるウサギとの暮らし

2023年はウサギ年! 長い耳に、つぶらな瞳、フワフワの毛並みのウサギはかわいらしく、人気がある動物です。「さみしいと弱ってしまう」「とても弱い生き物」というイメージもありますが、ウサギをペットとして飼いたいと思っている人もいるでしょう。東京都北区「さいとうラビットクリニック」院長であり、さいたま市緑区「斉藤動物病院」会長の斉藤久美子(さいとう・くみこ)さんに、ウサギと一緒に暮らすことについて伺いました。

外見も性格も個性豊かなウサギたち(写真は斉藤さん提供)

正しい知識と愛情を持ってウサギと暮らそう

「実は、ウサギは強いんです。きちんとお世話をしてあげれば、長生きできる子もいます」と斉藤さん。
ウサギは草食動物で、大きな耳から情報を得ています。おびえさせないよう常に忍び足で移動したり、周りで声を出さないようにしたりするなどの配慮は必要ありません。慣れていない音には敏感ですが、自分のケージの開閉音やテレビの音など、普段の生活音であることを認識すれば、大きい音も驚かなくなるそうです。
「ウサギは置かれた環境に順応できる賢い動物です」。

家族の一員だからこそ、ウサギやペットとも真剣に向き合おう

ウサギがペットとして一般的に広まったのは、マンションやアパート、団地など集合住宅の普及に大きな関係があると、斉藤さんは考えています。イヌやネコに比べて静かで、戸外へ散歩に出す必要がないウサギは、集合住宅でも飼いやすいからです。

以前、ペットのウサギは、間違った世話の仕方で体調不良となって病気になるケースが多かったそうです。最近は正しい知識を持って世話ができる飼い主が増え、老化で起こりやすい病気で動物病院にかかるウサギが増えてきているとか。

斉藤さんは、ウサギなどのペットを迎えたら、飼い主には「家族の一員にするとはどういうことか」考えてほしいと思っています。

「ウサギもイヌもネコも、人間も、あらゆる生き物に同じことが言えますが、健康管理をしてあげれば病気はある程度防げます。人間の子どもに食べ過ぎを注意するように、ウサギにも注意してあげてください。甘やかして病気にさせてしまっては、人間もペットもつらいだけですね。物言わぬ動物の体調をみてあげるのは難しいですが、家族の一員だからこそ、真剣に向き合いましょう」

斉藤院長に聞きました「ウサギを飼うときのポイント」
生活環境の整備、運動、食事の管理が大切

ウサギと一緒に暮らすには、「生活環境の整備、運動、食事の管理が大切」です。
①生活環境の整備
ラビットケージを用意し、慣れない音が響くような場所を避けて設置します。ウサギがケージをかむくせには要注意。歯がグラグラして、かみ合わせに影響が出てしまうかもしれません。

②運動
外に出かける必要はなく、朝夕にウサギをケージから出して、好きなようにさせれば十分です。ウサギが行ける場所に、電子機器類のケーブルなどのかじりやすい物を置かないよう気をつけてくださいね。安全に動けるスペースを確保してあげるのが望ましいです。

③食事
干し草がメインです。市販のラビットフードは栄養調節のために食べさせます。ウサギがよく食べるからと、ラビットフードをあげすぎるのは厳禁です。
ウサギがエサを入れる容器をくわえて、ポイッと投げているのを見かけることがあるかもしれません。ウサギは穴を掘る習性があります。穴掘りでは、邪魔な小石を口にくわえて外に出すため、口にくわえたらポイッと投げる動作は本能に近いと考えられます。
しかし飼い主はウサギの仕草を見て、「まだお腹が空いているのかな」とおかわりをあげてしまいがちですが、それはやめた方がよいでしょう。
かんで投げる仕草はごはんの催促ではありませんが、何度かおかわりをもらううちに、「器を投げれば、さらにごはんがもらえる」とウサギが学習してしまう可能性があります。

斉藤院長に聞きました「ウサギを飼うときのポイント」
生活環境の整備、運動、食事の管理が大切

ウサギと一緒に暮らすには、「生活環境の整備、運動、食事の管理が大切」です。
①生活環境の整備
ラビットケージを用意し、慣れない音が響くような場所を避けて設置します。ウサギがケージをかむくせには要注意。歯がグラグラして、かみ合わせに影響が出てしまうかもしれません。

②運動
外に出かける必要はなく、朝夕にウサギをケージから出して、好きなようにさせれば十分です。ウサギが行ける場所に、電子機器類のケーブルなどのかじりやすい物を置かないよう気をつけてくださいね。安全に動けるスペースを確保してあげるのが望ましいです。

③食事
干し草がメインです。市販のラビットフードは栄養調節のために食べさせます。ウサギがよく食べるからと、ラビットフードをあげすぎるのは厳禁です。
ウサギがエサを入れる容器をくわえて、ポイッと投げているのを見かけることがあるかもしれません。ウサギは穴を掘る習性があります。穴掘りでは、邪魔な小石を口にくわえて外に出すため、口にくわえたらポイッと投げる動作は本能に近いと考えられます。
しかし飼い主はウサギの仕草を見て、「まだお腹が空いているのかな」とおかわりをあげてしまいがちですが、それはやめた方がよいでしょう。
かんで投げる仕草はごはんの催促ではありませんが、何度かおかわりをもらううちに、「器を投げれば、さらにごはんがもらえる」とウサギが学習してしまう可能性があります。

◆取材を終えて

数多くのウサギたちを診療してきた斉藤さんに、ウサギの魅力を伺いました。
「静かですよね。イヌやネコ同様に夜行性ですが、人間の生活サイクルに合わせて夜に眠る子もいます。よほどのことがなければ、かみつきません。なでてほしくて、すり寄ってきてくれるときもあるんですよ」。
斉藤さんに見せていただいたウサギの写真や動画は、どれもとにかく「かわいい!」です。取材を通して、ペットをかわいがるだけではなく、少しでも長く一緒にいられるようにすることの大切さを改めて感じましたが、ペットと暮らしたい気持ちはますます強くなりました。

取材日:2022年12月20日
塚大あいみ