【子育て】こどもを授かったら「他人の評価軸で生きるのをやめる」チャンス

子育て真っ最中の家庭の支援に、全力で打ち込む村野裕子さん(子育て家庭支援センター施設長)。その日々の中で気づいた「子育てをするうえでもっとも伝えたいこと」を6回シリーズでご紹介していきます。

Profile 村野裕子(むらの ゆうこ)

職業:NPO法人子育て家庭支援センター「あいくる」(埼玉県入間市)
   理事・施設長・保育士
ほか:親子遊びサークル「ハッピーキッズ」を主宰
   こども食堂ネットワークいるま会長
子どもとの毎日を楽しいものにするための種まき活動を多方面で行っている。

 Profile 村野裕子(むらの ゆうこ)

職業:NPO法人子育て家庭支援センター
  「あいくる」(埼玉県入間市)
   理事・施設長・保育士
ほか:親子遊びサークル
  「ハッピーキッズ」を主宰
   こども食堂ネットワークいるま会長
子どもとの毎日を楽しいものにするための種まき活動を多方面で行っている。

子育ての始まりは「自分の評価軸で生きる」チャンスと考えよう

初めてのこどもとの生活。戸惑わない人っているのでしょうか?
その差はあれど、戸惑わない人はいないと思います。だって、それまでの生活とすべてが一変!
朝から夜、もっと言えば朝も夜もなくこどもと向き合う生活が始まります。

こどもはかわいいし、いとおしい守るべき存在だけれど、子育ての大変さは想像を優に超えてきます。
そんな時、何を大切にしたらいいでしょう?

子育てなんだから、「こども」のことを大切にするのはもちろんですが、あえて私は言いたい!
子育ての始まりは、「自分の評価軸で生きる」ことを始めるビッグチャンスです。

私たちはこどものころから多くの評価の中で生きています。
家庭では保護者から、学校では先生や周囲の仲間たちから、仕事をすれば上司や同僚、取引先から。
成績や運動能力、何ができたかできないか、何を頑張っているのかいないのか、小さなことから大きなことまで常に誰かの評価の中で生きています。

それらはプラスのチカラになることももちろんあるし、時にはマイナスに働くこともあるでしょう。
他人からの評価の中で生きてきた私たち。誰かにほめられたら嬉しくてそれまで以上に頑張ったり、がっかりされて落ち込んだり奮起したり、そんな経験は多かれ少なかれみんなにあると思います。

では、子育てが始まってからはどうでしょうか?

オムツを替えて、授乳をし、夜もひんぱんに起きて、こどもの生活に合わせていく。それまでの生活とは一変し、女性は肌や髪がボロボロになっていくことも。

そんな時、誰かが評価してくれるかしら?

日々の疲れを共に分かち合えるパートナーがいる人もいることでしょう。こどもと向き合っていた時間を「よくやったね」「おかげでスクスク育っているよ」と言ってくれる人もいるかもしれません。

けれど、そんな人ばかりではないと思います。また、それを常に言ってくれるパートナーがいても、それだけでは満足できないことも多いと思います。 なぜなら、それは自分の欲しい評価ではないから。

そもそも、自分の欲しい評価ってなんでしょうね? 社会的に見て役に立っている、同年代の人から見てキラキラ輝いている、周囲のうらやむ生活ができている……もちろん人それぞれに違うだろうけど、それは本人にしか分からない。

分からないから、自分の欲しい評価を他人がくれることは期待できないのです。
そこで!こどもを授かったのを機に、考え方を根本から変えてみませんか? 他人からの評価を軸に生きるのをやめるチャンスの到来です。
点数や見た目のできばえ、そんなものを自分の評価の基準にするのをやめてしまう。本来、自分の評価は自分自身で決めることができます。
これが「自分の評価軸で生きる」ことにつながります。

不完全な存在であるこどもを受け止めるために

自分の評価軸で生きるというのは、自分の足でしっかりと立って歩むということです。

人間のこどもは生まれた直後、自ら歩くことも食べることもできません。生まれてすぐに自分の足で立ってえさを食べる動物とは違い、不完全な状態で生まれてくるといわれています。その理由は、脳の発達に必要な期間を誰かの保護のもとで過ごすため、など諸説あります。

どんな理由にしろ、人間のこどもは誰かにお世話をしてもらわないと一人では生きていけない。このお世話をするのが、多くの場合、親である父親や母親の存在でしょう。その人たちが自分の足でしっかりと立てていないと、不完全な存在であるこどもを受け止めることが難しいと思うのです。

自分で自分に「いいね」を出していこう

では、どうやったら「自分の評価軸で生きる」ことができるのか?
それが、自分の評価を自分で決めることなのです。

他人からの評価を期待せず、自分で自分に「いいね」を出していく、出し続ける。
もちろんうまくいかないこともたくさんあるし、反省だってするけれど、日常の中で小さな「いいね」を積み重ねていく。

自分が「自分の評価軸で生きる」ようになると、子育てのさまざまなことが解決することもしばしば。 毎日の生活の中から、たくさんの「いいね」を探してみてください!

「 いいね❤️ 」を探そう!

❤️ 朝起きた! もしその時間が予定より遅くても、起きられたことに「いいね!」

❤️ ご飯作った。どんな内容でも、食パンを袋から出しただけだって、他人に食を提供したことに「いいね!」

❤️ 洗濯機回した。なんだかんだやってるうちに干すのを忘れて濡れたままの洗濯物がくしゃくしゃになって洗濯機の中に…。でも洗濯機は回したし、ほったらかしたことにも気づいた! そこに「いいね!」

❤️ こどもが泣き止まない。何やっても泣き止まない。泣きたいのはこっちだ! こんな日は何にも「いいね!」が出せない…。そんなことに落ち込む自分は、こどもを大切に思ってる証拠!「いいね!」