手書きのハガキ

パソコンや携帯電話を使うようになって、文章を手書きする機会が減ったという人は少なくないと思います。そんな中にあって、私には、日常的にハガキを送ってくれる遠方の友人が2人います。

1人の友人は、絵ハガキが中心です。美術館で買った絵ハガキに「こんなの見たよ」などと一筆添えて送ってくれます。ときには出先で見つけたという、その土地の“ゆるキャラ”が描かれたハガキが届くことも。行く先々で私を思い出してくれたことだけでもありがたく、うれしいものです。

ハガキを受け取ったら、私は携帯メールで感謝を伝えています。そのほうが早いからなのですが、ちょっと自分でも無粋だなと感じています。

もう1人の友人からのハガキには、街の様子や家族のことなど身近な出来事と自身の思いがつづられています。「また日記みたいになってしまいました」と書かれていることもたびたび。そんなハガキが届くのを私はいつも楽しみにしています。

こちらの友人は携帯電話を持っていないので、私もハガキを書いて出します。ただ、漢字が思い出せない、書けても送り仮名を間違う、さらに仕事柄か「この表現は分かりにくいかも」と悩むため、短時間では書き上げられません。書き損じることが多く、“消せるボールペン”が必須です。

それでも手書きする機会があるのは良いこと。ハガキ1枚とはいえ、パソコンに頼らない分、頭の体操になりますし、文章を適切にまとめる練習にもつながります。そして、最近私は1枚書き上げると、ちょっとした達成感を覚えるようにもなりました。これからは絵ハガキを送ってくれる友人にも、手書きで返事を出すようにしようかなと考えています。

2023年2月
彩ニュース編集部