埼玉で川を楽しもう!SAITAMAリバーサポーターズ

埼玉県は日本有数の「川の国」だとご存じですか? 埼玉県の河川面積の割合は全国2位。“海なし県”だけれども、実は水辺を楽しむ環境には恵まれているのです。
そして川にまつわるさまざまな活動をサポートするプロジェクトがあります。その名も「SAITAMAリバーサポーターズ」(通称:リバサポ)。“埼玉の川を知る・遊ぶ・好きになる”きっかけづくりを行っています。
運営しているのは、埼玉県の環境部水環境課です。担当の井上昌樹さん、中前千佳さんに話を聞きました。

リガサポを運営している埼玉県環境部水環境課の担当者、井上昌樹さん、中前千佳さん
リバサポを担当する井上さん(左)、中前さん。コバトンがつけているリバサポグッズは職員の手作りだそう

かつて県内の河川は、水質汚染がひどく、ごみがたくさん捨てられていました。これまで約20年間、ごみ拾いなどを続けてきたボランティア団体「川の応援団」があるのですが、メンバーの高齢化もあり継続が難しく、次の担い手を探し、育成する必要に迫られたそうです。
「県としても、ボランティアの厚意だけに頼っていてはいけない、企業活動なども含めてもっと広く川を利活用してもらい、持続可能な仕組みを作っていかなければと考えたことが、今のプロジェクトにつながっています」と井上さん。

リバサポは、企業サポーター、川の国応援団、個人サポーターの3者が連携して活動しています
リバサポの活動とそれに関わる人たちの全体像

「リバチャリ」「リバ犬」「川ガキ」~川を楽しむイベントも多数

リバサポは、企業サポーター、川の国応援団(ボランティア団体など)、個人サポーターの三者が連携して活動しています。現在、川の国応援団は約760団体、企業サポーターは約300社、個人サポーターは約13,000人が登録。
さまざまな企業・団体が協働して、川やその周辺の清掃、環境学習、川を楽しむイベント開催などを行い、個人サポーターにも参加を呼び掛けています。

リバサポの活動にはリバチャリ、川沿いサイクリング清掃ライド、カヌーでごみ拾い、リバ犬などがあります
リバサポの活動例。左上から時計回りに、リバチャリ、川沿いサイクリング清掃ライド、カヌーでごみ拾い、リバ犬

例えば、「リバチャリ(川×自転車)」や「リバ犬(川×犬)」では、川沿いでサイクリングや愛犬との時間を楽しみながら清掃するなど、川の環境を守る活動にもつなげています。
またイベントでは、河原で石を積むロックバランシングアート、SUP(サップ・スタンドアップパドルボード)やカヌー体験を行いながらごみ拾いを行うものもあります。
夏休み前後には、川に学び、川で元気に遊ぶ子どもを養成する「川ガキイベント」として、川遊び教室、魚釣り、水生生物調査などのイベントも県内各地で開催されています。
「イベントにもよりますが、子ども用ライフジャケットや水中観察できる観察メガネ、タモ網、長靴などの貸し出しも行っているので安心して楽しむことができます」と中前さん。

荒川を長瀞から北本までサップ・スタンドアップパドルボードで川下りするイベントでは、レース前後に、徒歩では行けない場所にたまってしまったごみ拾いを行っているそうです
荒川を長瀞から北本までSUPで川下りするイベントでは、レース前後に、徒歩では行けない場所にたまってしまったごみ拾いを行っているそう

リバサポの活動をサイト・SNSで積極的に発信

リバサポは令和3年にポータルサイトを新規に立ち上げ。SNSも含め、積極的な発信を始めています。
イベント告知だけでなく、実施レポートや、川や水に関する知識やコラムなども読むことができます。
井上さん、中前さんは「サイトを見に来てください! 気軽に情報に接してもらい、そこから興味を持ってもらえたらうれしいです。川は洪水を起こし迷惑をかける時もありますが、恵み豊かなものです。親しみや愛着を持って川のある暮らしを楽しんでほしい」と語ります。

※サイトは「リバサポ」で検索

<イベント>  
■5月13日(土)9:00~11:00鴻巣市
イベント名:みんなで育てよう元気な子ども!きれいな川きれいな環境
内容:カヌーボートで楽しみながら清掃(カヌーボード初心者には指導も)

■5月27日(土)10:00~12:00さいたま市
イベント名:スポGOMIワールドカップ2023 埼玉STAGE
内容:ごみ拾いをスポーツ化、制限時間内で拾ったごみの質と量を競い合う。「スポGOMI」日本ステージ出場をかけた都道府県予選

◆取材を終えて
リバサポは、川のある暮らしを楽しみ、学び、体験できるのが魅力だと感じました。特に「川ガキイベント」は子どもだけでなく、大人も参加したくなるような内容が盛りだくさん。川遊びを安全に楽しむ方法を習得し、暑さが増すこれからの季節、海なし県・埼玉らしく、川を楽しんでみましょう! 

取材日:2023年3月30日
小林聡美