さいたま市大宮区にある武蔵一宮氷川神社(むさしいちのみやひかわじんじゃ)へと続く氷川参道。整備が行き届いたこの遊歩道は、参拝客だけではなく地元の人たちにとっての憩いの道でもあります。南北約2㎞という全国屈指の長さを誇る参道の端から端まで、小学2年生と5歳児の子どもと一緒に散策してみました。
野鳥がやってくる緑豊かな参道
さいたま新都心駅から約800mにある、一の鳥居からスタート。ゴールは氷川神社の境内手前にある三の鳥居です。
子どもたちは、木々の根元に咲く小さな花、沿道に度々見られる大きな切り株、一丁(約109m)ごとに置かれた「丁石」を、競って見つけては大はしゃぎ。45分ほどで踏破できました。5歳児の足ではおよそ4,200歩です。途中、鳥の鳴き声に気づき、頭上を何度も気にしていました。
氷川神社、権禰宜(ごんねぎ)の淺見さんに話を伺うと、「平成ひろば付近では、ツミを見られることもあるんですよ」とのこと。ツミはハトほどの大きさで、日本で最も小型のタカです。参道の樹木は、野鳥観察ができるほどの豊かさなのです。
かつて、人々は中山道を通って氷川神社を参拝していました。江戸時代に区画整理が行われ、一の鳥居がある場所から中山道と分離。神社の敷地がどのくらい広大であったかを感じられる距離の参道が、現代まで残っているのです。
「最近、カルガモの親子が近隣の寺院から境内へ引っ越してきたんですよ」と淺見さん。参道と周辺の環境には、心が和む自然が息づいています。
子どももワクワク! おみくじとふくろ絵馬
一の鳥居から歩き通して、子どもたちには達成感があったようです。「ここまで歩いたから、いいことがありそう!」とおみくじへ。大吉を引き当てた小学2年生は「お守りにする!」とうれしそうにポケットへしまっていました。
氷川神社には、ちりめんの袋に入れる「ふくろ絵馬」があります。色とりどりの袋がずらりと並び、厳かな境内の中で浮かび上がるような明るさです。子どもたちは「神様は読んでくれるかなぁ。もっと上にかけよう」「神様はどの色が好きかな、赤?」と楽しんでいました。
新しい発見をもたらす氷川参道の散策、ぜひ出かけてみませんか?
取材日:2021年3月17日・20日 塚大あいみ