北風と太陽、そしてバランス

この原稿を書いていた時、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
ロシアとウクライナの紛争。環境問題が世界的な課題になる今、なぜ?

小市民でしかない私には、戦争反対ということしかできません。
でも、その影響は、確実に日々の生活に大きくのしかかってくるのでは、と想像できます。今は、ネットワーク網の発達で、瞬時に世界経済に影響を及ぼす時代ですから。

「北風と太陽」の話のように、力だけでは心のコートを脱がすことはできない。
ますます固く、人はコートの襟を重ねてしまいます。
では、人と人が温かく交流し合うことで、すべてが解決できるのかといえば、そうとも言えないと思います。それぞれの人には連綿と続く歴史があり、置かれた環境で格差ができ、複雑な感情が影響して、事態が思わぬ方向へ動いて炎上することも考えられるからです。

そんなことを堂々巡りのように考えていたとき、ふとモビールというイメージが頭に浮かんできました。モビールは、不思議な造形物です。すべてが微妙なバランスで成り立っていて、その上とても美しい。

人の生き方も、国のあり方も、世界も、モビールの一つ一つのパーツのように、微妙なバランスを取る必要があるように思います。一つ一つのパーツのバランスは、それぞれ違う形をしているかもしれないけれど、組み合わさっていくうちに、ものすごく複雑だけど全体の均衡が取れ、外部からの刺激にも柔軟に対処できる“地球モビール”ができるのではと。
それでなければ、環境問題など解決できるわけがないのではと、深く憂慮しています。

振り返って、今の自分は、日々の生活のバランスが取れているのかな? ゴミの分別はしっかりできているのかな? 無駄なものはないかしら? 人とのコミュニケーションは、相互に理解し合えているのかな?

バランスを取るのは、容易なことではありませんが、身近なところからひとつずつ意識して過ごしてみようと思います。

2022年4月
彩ニュース編集部