【東松山】世界第2位の規模を誇るウオーキング大会「日本スリーデーマーチ」

思い立ったら手軽に始められる健康づくりの一つ、ウオーキング。日本各地では多くの人が集って歩く、ウオーキング大会も開かれています。

その中で最も長い歴史を持つのが、今年45周年を迎える「日本スリーデーマーチ」です。主催の東松山市を拠点に、例年11月に3日間開催され、多いときは国内外から延べ10万人ものウオーカーが参加。日本最大規模の大会であり、世界的に見ても、オランダで開かれているウオーキング大会に次いで2番目の大きさを誇ります。

今年(2022年)は、11月4日(金)~6日(日)に開催予定です。事前の参加登録は終了しましたが、当日会場で申し込めば参加することができます

過去の「日本スリーデーマーチ」の様子。緑豊かな田舎道、風車や家並みが海外のような道などコースもさまざま
過去の「日本スリーデーマーチ」の様子。いろいろなコースが用意されています

好きな距離を好きなルートで

同大会は、群馬県新町(現高崎市)で第1回と第2回を開催。3回目から東松山市へ引き継がれ、以降、少しずつ参加者が増えていきました。その理由について、東松山市教育委員会生涯学習部スポーツ課長の山口 勉さんは「丘陵を中心としたコースの豊富さや自然環境の良さ、そして周辺の自治体の協力も大きいと思います」と話します。

コースは5㎞・10㎞・20㎞・30㎞・40㎞・50㎞から選ぶことができるうえ、3日間、それぞれ異なるルートが整備されているため、参加者にとっての選択肢は多くなります。

「3日連続で50㎞を歩く方や、1日のみ参加する方などさまざまです。今年は、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の登場人物ゆかりの史跡などを通るコースもつくり、地域の歴史を感じていただけるように工夫しています」

コースを決めた後も、参加者が安全に歩けるかどうか、大会直前まで状況確認を続けているそうです。「一度、下見をして大丈夫でも、その後、台風被害で道路の様子が変わったり、工事中になったりすることもありますから。森の中を歩く場合は、木の枝が落ちてこないかといったことも確認し、少しでも危険であれば通らないようにしています」と安全第一で大会運営に取り組んでいます。

多くの市町村が一体となって開催

コースとなるエリアは、比企地域(東松山市・滑川町・嵐山町・小川町・川島町・吉見町・鳩山町・ときがわ町・東秩父村)、熊谷市、深谷市、越生町の広範囲にわたっています。そのため、主催の東松山市以外のすべての自治体が“支援”の立場で大会運営にかかわっています。

大会当日は、各自治体職員のほか、3日間で延べ5000人ものボランティアが活動。地域で育てた果物をウオーカーたちにふるまったり、誘導係としてコースに立ったりして大会を支えます。

同大会は、2019年は台風の影響で、2020年はコロナ禍で中止。2021年はコロナ対策として規模を縮小しての開催だったため、例年通りに開かれるのは4年ぶりです。
「皆さんに安全安心に歩いていただけるよう、精一杯の準備をしています。以前のにぎわいに少しでも近づけて、希望を感じていただけるような大会にしたいと思っています」と山口さん。

当日参加の方法など詳しくは、「日本スリーデーマーチ実行委員会」のホームページに掲載されています。

第41回大会の出発式の様子
第41回大会・中央会場(東松山市)での出発式の様子
◆取材を終えて

全国から集まるウオーカーの中には、年に1回、会場で会うことを約束し、楽しみにしている人たちもいるとのこと。ただのイベントではなく、多くの人の人生に刻まれる大会となっているようです。広範囲にわたるコースの管理や、大勢の参加者の対応など準備は大変そうですが、これからも長く続けていってもらいたいなと思いました。

取材日:2022年10月7日
矢崎真弓