【さいたま】もちもちの皮がくせになる。手包み餃子専門店「うらわ餃子」

「ママ、餃子屋さんになってよ!」 子どもの言葉をきっかけに生まれた冷凍餃子専門店

浦和駅から自転車で10分ほどの住宅街に、木目調の壁に毛筆のロゴが目印の餃子(ギョーザ)店があります。その名も「うらわ餃子」。安心・安全な国産材料を使い、一つ一つ手包みで作られた餃子は、食べ応えのある大きめサイズにもちもちの皮が特徴。素材の味が生きていて、タレをつけなくてもおいしく食べられます。

営業は火・水・金・土曜。真下さん(右)とスタッフのみなさんが明るく元気な笑顔で迎えてくれます

うらわ餃子を始めた真下さんは2人の子どもを育てるママ。野菜嫌いな子どもにどうやって野菜を食べさせるか考えてたどり着いた手作り餃子は、いつしか子どもたちの大好きメニューに。ある日の子どもの言葉がうらわ餃子を始めるきっかけになりました。
「ママの餃子、本当においしい! 餃子屋さんになってよ!」
妊娠・出産を機に主婦になったが子育てが少し落ち着いたらまた働きたい。育児もしっかりしながら自分にできる働き方を探していた真下さんは、餃子販売を考え始めます。

真下さんの手紙と餃子のおいしい焼き方が添えられています

忙しいお母さんたちが安心して子どもに食べさせられるおいしい餃子をつくりたい

餃子は“完全食”と言われることもあるほど栄養バランスのいいメニュー。まわりのお母さんたちに話を聞くと、餃子は作るのが面倒なもの、買ってくるものという声が予想以上に多かったとか。忙しいお母さんが安心して子どもに食べさせられるおいしい餃子を作ろうと決心したそうです。
「家庭の餃子から売りものの餃子にするためにひたすら試作と改良を重ねました」
冷凍すると変わってしまう味や皮の状態に最後まで悩んだという真下さん。納得のいく餃子を作るため、材料の仕入れ先探しにもこだわりました。
「最後まで冷凍時の肉のにおいに悩みました。一般には販売していない肉屋さんに思い切ってお願いしたら、冷凍してもおいしい肉の配合を一緒に作ってくれたんです。餃子の皮も製麺店にうらわ餃子仕様の大きさと厚みで作ってもらっています。おかげで私史上最高の餃子ができました」

うらわ餃子の第一印象は、明るい笑顔と丁寧な対応。
買い物客との会話を大事にしている真下さん。初めての人には、餃子のおいしい焼き方を丁寧に説明してくれます。
はじめは店舗を持たずミニバンでの移動販売からスタートしたうらわ餃子。2020年12月のスタートからすぐにクチコミで広がり、6カ月後に店舗オープンとなりました。
「一歩踏み出したら進むしかない。とめられないんですよね。目の前のこと、お客さまのことを考えて、その時できることを精一杯やったら、ここまで来ました。これからもそれは大事にしていきたいと思っています」
うらわ餃子では店舗まで買いに行けないという声にこたえ、不定期で移動販売もしています。

◆取材を終えて

「何個食べてもお腹がもたれない」という声も多いという、うらわ餃子。ラードを一切使わず、子どもやいろいろな人が食べやすい味に、時間がたってもおいしく食べられるように材料の配分をしているそうです。おいしさの中にやさしさを感じると思っていましたが、そういうこだわりを聞いて納得しました。冷凍餃子なら家にストックしておけるので子育て世代にはうれしいポイントですね。 

取材日:2021年6月21日
小林聡美