彩ニュースでは昨年の秋、「こどもとの向き合い方6カ条」という子育て6回シリーズに取り組み、いろいろな反響をいただきました。
「子どもをどう世話したらいいかという育児情報は巷(ちまた)にあふれていますが、この記事は、親の心情に向き合い、親の立ち方が書かれていてすごくうれしかった」
「ほめる子育てが盛んに言われていますが、学校で教えていると、とても違和感がありました。そこに明快な考えを提示してくれました」などです。ありがとうございます。
この6回シリーズが、少しでも、こどもとの向き合い方に悩む方たちの力になれたならうれしいです。これからも親と子が良い関係を築いていけるような記事をご紹介できるよう、微力ながら、つとめていきたいと思います。
子育てといえば、みなさんのお役に立つか分かりませんが、私の経験を一つお話しさせていただきますね。
わが家では子どもが成長するにつれ、親子の会話は少なくなり、子どもが何を考えているのかだんだん分からなりました。そんなとき子どもの内面を知る方法を私なりに見つけました。
それは、子どもと一緒にテレビ番組を見ること。ただし見る番組は、子どもが興味を持つものです。
そのとき、自分が普段見ないような番組であっても顔に出さず、「この番組のどこに興味を持っているんだろう?」と考えながら一緒に見るようにします。
わが家では、アイドルが出演している学園ドラマが最初でした。子どもが小学5年生のときです。
見終わってから、「あの人はどうしてああいう行動をとったのかな」「このあとどうなるのかな」など、お互いに思ったことを話し合います。
そうすると、子どもは何が好きで、どんな価値観を持ち、何に心を動かされ、どんな生き方をしたいと思っているのか、など、いろいろなことが見えてきます。
「ゆとり世代」と小さいころから言われてきたわが子は、だからこそ、世の中を甘く見ていないのだそうです。バブル時代を知る私たち世代とは違い、ずっと地に足のついたものの考え方をしていて、感心したこともありました。
また、時には「つらくてもあきらめない人だね。すごいよね」「あそこでだれかに相談すれば良かったのにね」など、人生訓も自然に伝えられます。親としては、つい、「こうあるべき」と言ってしまいそうになりますが、その気持ちを抑えながら客観的に話すようにつとめました。
何より、興味を持って話し合える共通の話題ができたのが大きな収穫でした。
子どもは、幼い面はありますが、時代の先端を敏感に感じ取っています。次世代をになっていくのは彼らなのですから、当然と言えば当然です。案外このことを、私たち親世代は忘れがちなのかもしれません。
2022年3月
彩ニュース編集部