【さいたま】埼玉産だからこそ味わえるおいしさを 生パスタとベーグルサンドichi

カフェichi(いち)は、さいたま市見沼区、日本大学法学部のグラウンド前という緑豊かな場所にあります。埼玉産小麦の自家製生パスタが看板メニュー。見沼区で採れた新鮮な野菜などの地元食材を活かし、旬を感じる一品を提供しています。
埼玉産の食材へのこだわりや店舗について、オーナーの⻆井仁志(つのい・ひとし)さんにお話を伺いました。

ichiの外観。奥はテイクアウト用窓口

地元の魅力を知らないのはもったいない!

一番人気の「濃厚カルボナーラ」

ichiでは「ハナマンテン」を使った自家製パスタを作っています。ハナマンテンは、埼玉県北部で栽培されている超強力小麦で、パンや麺に向いている品種のひとつ。

「ハナマンテン中心に独自に配合し、自家製パスタにしています。実は、ハナマンテンは扱いが難しいんです」

難しい品種でもあえてハナマンテンを使う理由は、お店のコンセプトにありました。

「地場のおいしいものを、地元の人に食べてもらいたいです。地産地消なら、高品質のものでも価格を抑え、新鮮なまま、食材の魅力をお客様に感じていただけます。フードマイレージ(食料の輸送距離のこと)が小さく、地球に優しい地産地消は、SDGs(持続可能な開発目標)の実現でもありますよね」

⻆井さんは、東京都内での居酒屋の経営を経て、現在の場所に「ichi」を立ち上げました。

「自分が住んでいる場所の魅力は、気づきにくいものです。地元の人にこそ、埼玉の魅力を知ってほしいと思っています」

メニューには、食材を仕入れた農家や店名を明記しています。

「うちのメニューを通して、お客さんがそのお店に興味を持ってくれたら良いですよね。こんなお店があるんだって気づけば、今度はそのお店で扱っている食材が地元で採れることを知ってもらえます。埼玉産といえば川越のサツマイモが有名ですが、その他の野菜もたくさん採れて収穫量が多いし、良質な精肉もある。お米もおいしいです」

世界に誇れる食材がある埼玉県。まずは地元の人に認知してもらうことが大切、と⻆井さんは考えています。
「今後は、埼玉産野菜を練りこんだパスタなど、種類を増やしていきたいです。遠い海外で、埼玉産の野菜を使った料理が食べられるようになったら、おもしろいですよね」

地元を応援して元気にしたい!

手作りのスワッグが飾られている店内

緑が見えて、ほっこりとくつろげる雰囲気の店内。壁にはおしゃれなスワッグが飾られています。50cmほどの大きさで存在感がありつつも、コットンや穀物の素材でナチュラルな雰囲気が店になじんでいます。すべて⻆井さんの手作りだそうです。

「知り合いの方に教えてもらって作成しました。ここでワークショップも開いているんですよ。ここを使ってワークショップやイベントを行ってもらえるのは大歓迎。場所を提供することで、地元を盛り上げるのに一役買っていると思うと、うれしいですよね」

◆取材を終えて

ichiのベーグルは、大宮区にあるベーグル専門店「小春日和」のもの。母親と奥さんが一緒に作っているそうです。また、お兄さんのベーグル店のものが並ぶこともあるそうです。ご家族がそれぞれ飲食店を営む⻆井さん。ご家族の話題からも、店舗の居心地の良さや温かな人柄を感じました。

取材日:2022年4月12日
塚大あいみ