吉田元気村は、秩父市吉田にあるアウトドア体験施設です。宿泊のできる11棟のコテージや大きな体育館も完備されています。体育館の床は、フローリングではなく土になっているため、ゲートボールやフットサルも楽しめます。
中央にあるクラブハウス内には、「元気風呂」や売店、レストランがあり近隣の人たちや観光客など、いこいの場となっています。
受験シーズンに限定販売される、縁起担ぎのダムカレー
合角(かっかく)ダムの麓にひろがる同施設では、例年受験シーズンに「ごうかくダムカレー」を限定販売しています。「“合角”は“ごうかく”と読まれることから、前任の支配人、ダム事務所や厨房のスタッフと打ち合せをしながら考案したと聞いています」と吉田元気村の今井里美所長。
2016年から限定販売を始めた「ごうかくカレー」はすべて縁起担ぎのメニューでつくられています。「合格」を願いご飯を五角形に盛り付け、ヒレカツ5枚をのせて「勝つ」ことをイメージ。小鉢も縁起の良いかつお節を使用した食材や、「福の神」に通ずる福神漬けに変更してあるとのことです。
また、ごうかくダムカレーには、近隣にある菩薩寺(ぼさつじ)で祈願された合格守りや、合格ダムカード、缶バッチも付いています。
ごうかくダムカレーは付属品も特別限定
「ごうかくダムカレーはダム事務所が企画し、吉田元気村双方で打ち合わせを重ねながら数量や販売日などを決め、販売しています」と今井さん。例年では1月の上旬から150食ほどを限定販売していますが、受験シーズンのタイミングやコロナ禍の影響で開催日や数量が毎年異なるため、今年度は未定とのこと。「ダムカードやお守りの色も毎年違いますよ」と今井さん。ダム事務所がどんなダムカレーを企画するのか、元気村でも毎年楽しみにしているそうです。
「みなさんごうかくカレーに付いているお守りを菩薩寺に持参して、境内にある“合格橋”を渡り、“ごうかく乃鐘”を突き、改めて合格祈願をしています」と今井さん。お守りはごうかくカレーのために特別につくられていて、普段はいただけません。受験を控えた人だけでなく、商売繁盛を願う人にも人気だそうです。また、通常では手に入らないレアなダムカードを求め、ダムカードコレクターも集まるといいます。
「レアなメニューであるため数日で完売することもあります。コロナが終息したわけではないため対策をしながら、ごうかくカレーを食べて受験シーズンを乗り越えてほしい」と今井さんは受験生にエールを送ります。
ごうかくダムカレーは時期限定ですが、通常メニューにもユニークな「合角ダムカレー」があります。ご飯がダム本体、ビーフカレーは湖面、エビフライはダムの放流、ヒレカツは合角半島、カニカマは倉尾橋として、合角ダムをイメージしています。その日に取れた旬の地元野菜を使い調理されている、おもてなし小鉢付きだそうです。
◆取材を終えて ごうかくダムカレーの詳細や、今年の販売期間などはホームページなどに掲載されるそうです。また、吉田元気村への問い合わせも可能だとか。 普段でも、ご当地グルメ「みそポテト」や特産のひとつこんにゃくの「みそおでん」などが食べられたり、コテージに宿泊しながらピザつくり体験などが楽しめたりします。いこいの場となっている吉田元気村で、ゆっくりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。 取材日:2022年11月10日 田部井斗江