スケボーを楽しもう!屋外スケートパークPOSSIBILITY PARK

街中や公園で目にするストリートスポーツといえば、スケボー(スケートボード)をイメージする人は多いのではないでしょうか。2021年に開催された東京オリンピックの競技としても注目を浴びました。
平らな場所ですべるだけではなく、手すりや階段などの障害物や、ランプ(おわん型のプール、ハーフパイプのような場所)でトリック(技)を決めたり、さまざまな楽しみ方があるスケボー。練習できる専用パークにはたくさんの人が集まっています。
今回はさいたま市内にある屋外スケートパークPOSSIBILITY PARK(ポッシビリティパーク)を紹介します。

同パークで店長とスクール講師を務める田中陽(あきら)さん(左)とスタッフの兼本鈴菜(かねもとすずな)さん

東武アーバンパークライン七里駅から徒歩15分の位置にある同パーク。
ダウンレール、ピラミッド、ハーフボウル、プールボウルなど、さまざまなセクションを備え、ビギナーから上級者まで思う存分スケボーを楽しむことができます。
平日は1日料金で利用できますが、土・日曜など混雑する日は時間制となることもあるそう。特に夏休みや春休みなどの長期休暇は、平日昼間から練習に来る学生が多く、週末は1日100人以上が利用する日もあるといいます。
スケボーだけでなくBMX(自転車)やインラインスケート、キックボードなども利用できます。

ヤシの木が目印の同パークは、スケボー発祥の地アメリカ西海岸の雰囲気も楽しめるように設計したそう

利用者は3歳から65歳までと幅広い

「実は埼玉県はスケーター人口が多いわりに、練習場所が少ないんです」という田中さん。
「特に上級者が練習できるセクションを備えたパークは少ないので、ここは世界を目指すレベルでも練習できるような設計にしています。将来、埼玉からオリンピック選手が出たらうれしいですね」と語ります。

若者のストリートスポーツというイメージがあるスケボーですが、実は幅広い年代が楽しんでいます。
同パーク利用者には30代~40代も多いだけでなく、開催するスケボースクールには3歳から65歳まで幅広い年齢の人が習いに来ているそう。スクールは人気でレッスンの空き枠はわずかだとか。

「子どもと一緒にパパやママも、家族みんなでスケボーをはじめましたという人もいますよ」と話してくれたのはスクール講師を務める田中陽さん。AJSA(日本スケートボード協会)公認プロスケーターでもあります。

取材時にスケボーをすべって見せてくれた田中さん

スケーターはみんなフレンドリー。人とのつながりが広がるのも魅力の一つ

田中さんがスケボーを始めたのは11歳。父親の影響でサーフィンを始めましたが、家があるさいたま市から海に行けるのは週末のみ。次第に、いつでもどこでも楽しめるスケボーの方にハマっていったとか。
「スケボーパークに行くと、年上のお兄さんたちが教えてくれるので、上達しやすかったんです。それが楽しくてハマっていきました」

パークにアトリエを構えるアーティスト太夢さんの作品も多数。ストリート文化も感じながらすべることができます

人との距離感が近いこともスケボーの魅力と語る田中さん。
「スケーターは遊びがてら遠方のパークに足を運ぶ人も多くて、そこでの出会いをきっかけに仲良くなることがよくあります。スケボーを通していろいろな楽しみや人とのつながりが広がっていくのも大きな魅力ですね」。
パークでも、スケボー経験者やベテラン層は、ビギナーやスクール受講生とも交流があるといい、「スケーターの人は一見怖そうに見えるけど、話してみたらみんなフレンドリーでいい人だった」という声をよく聞くと教えてくれました。

パーク周辺は古くから住む人も多い住宅地ですが、フェンス越しに子どもたちがすべるのを見に来て、話をしたり関心を持って接してくれる住民が多く、交流が生まれているといいます。
スケボーを通して、年齢や性別などを超えた人とのつながりが広がっています。

◆取材を終えて
取材して意外だったのは、埼玉県はスケーター人口が多いという点でした。日照時間が長い埼玉県は、スケボーなどの屋外スポーツや、アーバンスポーツ(都市型スポーツ)ととても相性がいいように思いました。
同パークでは1月に賞金もかかったスケボーコンテストを開催。大きな盛り上がりを見せたといいます。
埼玉から新たなオリンピック選手が出る日は近いかもしれませんね。

取材日:2023年2月9日
小林聡美