8月24日から開催中のパラリンピック。連日のテレビ観戦で選手たちの活躍に、思わず身を乗り出して見入っています。ゴールした途端倒れ込む選手の姿に、思わず胸が熱くなり、自然に涙があふれることも…。
それは、「障がいがあるのに頑張っている」などの同情心からではありません。
選手たちが持てる能力を可能な限り磨き上げ、ありのままの姿で精一杯自分を表現していることに感動を覚えるからです。
おそらく、先天的な障がいのある方は、それが普通だし当たり前と感じていると思います。しかし、後天的な事故や病気で思いがけず障がいを持った方は、絶望的な思いを経験されたのではないでしょうか? 漆黒の闇の中に、ただ一人取り残されたような底知れぬ不安を…。
そう感じるのは、私自身、2012年に軽度の脳梗塞を患い、視野の1/4を失うという後遺症を持っているからです。その時は、何も考えられない程ショックを受け、仕事も家事も何もする気が起こりませんでした。
毎週のようにさまざまな検査や投薬治療。主治医からは、長年のストレスや運動不足を解消するために軽度のウォーキングを勧められ、毎日少しずつ距離を伸ばし体力をつけるよう心がけてきました。
年齢を重ねれば誰にも大なり小なりのアクシデントや疾病はついてくる。
だったら、ありのままの今の自分を受け入れ、少しでも改善していこう!
そう思えたのは、1年ほど経ってからのことです。やっと、障がいを持った自分を、これが今の自分なのだと納得できたのです。
彩ニュースで取材させていただく方々は、さまざまな困難を経験されながらも勇気を持って一歩を踏み出し、自己研さんを続けている方たちばかりです。その経験談の中に、今までに気づかなかった視点や考え方の大きな気づきを見いだすときがあります。
先を見通せないコロナ禍の時期ではありますが、感染防止に細心の注意を払いながら、日々の生活や仕事を通して、自分の持てるだけの残された能力を磨き続けて行けたらと思っています。
2021年9月
彩ニュース編集部