今夏絶対チェックしたい「ニュータイプキーマ」おススメ店を発表! 個性を出しやすいキーマは売上アップの切り札。

ンチメニューでキーマを提供する店が急増

この夏ブームとなること必至の「ニュータイプキーマ」「ハイブリッドキーマ」「フュージョンキーマ」は、従来の単純な「ひき肉×カレー」から、複雑かつ多岐にわたりアレンジされた進化系のカレーです。いま、続々と開発されているこれらのプレミアムなキーマを食べないなんてもったいない! そこで、株式会社カレー総合研究所(本社:東京都渋谷区)代表であり、カレー大學学長を務める井上岳久氏に、現在の傾向をインタビュー。進化系キーマを味わえるさまざまな店も紹介します。

井上 岳久
●Takahisa Inoue

PROFILE
株式会社カレー総合研究所 代表
カレー大學 学長

1 外食店に続々登場する「ニュータイプキーマ」は
   売上アップの切り札

1 外食店に続々登場する「ニュータイプキーマ」は売上アップの切り札

今の時代にピッタリとハマる

――このところ、ランチメニューでキーマカレーをよく見ます。

井上 カレーはランチやテイクアウト、宅配に強いですからね。コロナ禍で営業時間が制限されるなか、専門店はもちろん、外食店全般がキーマに注目しています。カレー業界は競争も激しいので、店は生き残りをかけて個性的な新メニューを打ち出し、販売を強化しているんです。

そもそも日本人はひき肉料理が好きで、市場でもオリジナル性の高いキーマが売れるんですよ。店としても作りやすくて個性を出しやすいので、提供するところが急増したんです。目で見て楽しい、食べておいしいニュータイプキーマは売上アップの切り札になっています。

――需要も供給も同時に高まっているんですね。さらに個性的なキーマカレーが登場しそうでワクワクします。

井上 チェーン店も急速にキーマを中心として販売を強化しています。専門店の他にもバーやイタリアンなど、これまでカレーを提供していなかった店もオリジナル性の高いキーマを開発していますからね。それを楽しみに通う人は多いですよ。

2 どの店でどんなニュータイプキーマが味わえるの?
    今夏チェックしたい店を一挙紹介!

2 どの店でどんなニュータイプキーマが味わえるの? 今夏チェックしたい店を一挙紹介!

ニュータイプキーマのバリエーションは驚くほど多彩

――ニュータイプキーマのジャンルやメニューがどんどん増えていると聞きました。

井上 性が出しやすいキーマは、差別化を図るための武器になります。

ここ数年のカレーブームとコロナ禍での社会環境の変化で、カレー専門店はもちろん外食全般がキーマを強化しています。日本各地で開発が進んだ結果、劇的に進化したんですね。

例えば、ビジュアル系では、まるで大きなチーズのかたまりが皿にのっているような白いキーマを、チーズの専門店が出しています。栄養系では、イタリアンのシェフが打ち出したアスリートのための高タンパク質キーマが話題になっています。このように自店の存在感を放つニュータイプキーマがたくさんあるんですよ。

ニュータイプキーマ(ハイブリッドキーマ・フュージョンキーマ)の体系図:具体的な種類

――いろいろなニュータイプキーマを味わってみたいです。どんな店があるのか教えてください。

井上 個性あふれるニュータイプキーマを提供する店を紹介します。

スパイスキーマ/スパイスカレーのキーマ
旧ヤム邸シモキタ荘(東京/世田谷)

東京都世田谷区代沢5-29-9 ナイスビル1F  TEL 03-6450-8986

毎月変わる3種類のキーマカレー

人気の秘密大阪発祥の人気創作カレー店。食べログ百名店に3年連続で選ばれている。インドのスパイス・ハーブ・柑橘系果物など、独創的な組み合わせのルウが話題。月毎に季節の素材を楽しめる3種類の新キーマが登場する。旨味とスパイスが調和したキーマは香辛料がしっかり感じられ、一度食べたらクセになる味。

中華系キーマ魯肉飯(台湾系キーマ)
SPICY CURRY 魯珈(ろか)(東京/新宿

東京都新宿区百人町1-24-7 シュミネビル1F   TEL 03-3367-7111

魯珈飯と選べるカレーのワンプレート(ろかプレート)

人気の秘密美人店主が切り盛りするカウンターのみの店。食べログ百名店の常連で数々の賞を受賞。甘辛い牛肉がサフランライスにのる魯肉飯(ルーローハン)とカレーの「ハーフプレート」が人気。ハーフプレートのカレーは3種類から選べる。スパイスの刺激が口から鼻、鼻からつむじに突き抜けていく辛さの「魯珈チキンカレー」、柔らかくて味のしみ込んだ「ラムカレー(ビンダル風)」、ココナッツミルクと野菜の甘みでマイルドな「クリーミィ野菜コルマカレー」だ。その日の気分で楽しみたい。

中華系キーマ担々カレー/坦々麺のカレー
かえる食堂(東京/池袋

東京都豊島区池袋3-6-1 第2京花荘1 F    TEL 03-5950-6077

ひき肉タップリの黒担々カレー

人気の秘密カレーとシフォンケーキがおいしい店。食べログ百名店の常連。鶏ガラと野菜で丁寧に作られた白湯スープに、飴色玉ネギ・トマト・12~13種類のスパイスを使ったカレールウ。これをベースに手作りの醤ジャン・実山椒・黒こしょう・黒ごまが入る黒担々カレーが看板メニュー。醤ジャン・実山椒の中華系辛みがカレールウとあいまってしびれるおいしさ。大きめ野菜の食感も楽しめる。

ビジュアル系キーマ/白キーマ
CHEESE CHEESE Meat. COMTE(東京/池袋

東京都豊島区南池袋2-27-5 カテイビル   TEL 050-5595-7828

平日限定‼チーズ屋さんの《特製》キーマカレーランチセット

人気の秘密池袋駅近くにあるチーズ専門店。おしゃれな店内は女性客に人気。真っ白なラクレットチーズ(スイスの大きなかたまりチーズ)をたっぷりかけ、真ん中に卵を落としたキーマカレーが女性に大人気。半円のずっしりとしたラクレットチーズを温めて、とろりとキーマカレーを包み込むから、まるごとチーズ気分が味わえる。チーズの中から出てくるキーマは、玉ネギの甘さと卵の黄身でさらにマイルドな味わい。

ラムキーマ
Spice Bar コザブロ(スパイスバル コザブロ)(東京/文京

東京都文京区向丘2-34-8 1F TEL 03-6874-1597

ラムキーマビンダ

人気の秘密住宅街にある人気店で食べログ百名店に選ばれている。バルというだけあってお酒の種類が豊富。注目のラムキーマビンダルはラムのひき肉をビネガーで煮込んだもの。コクと旨味が溶け合ったサラサラしたルウはターメリックライスとよく合う。パンチのある辛さはあとを引くおいしさ。

そぼろ/ひき肉系キーマ
オクシモロン(神奈川/鎌倉)

コマチ/神奈川県鎌倉市雪ノ下1-5-38 2F   TEL 0467-73-8626
オナリ/神奈川県鎌倉市御成町14-1 御成ビル1F   TEL 0467-40-5633

エスニックそぼろカリー

人気の秘密古都鎌倉にあるモダンなカレー店。食べログ百名店に選ばれている。人気の「エスニックそぼろカリー」は、スパイシーな豚そぼろを囲むように緑の香味野菜がたっぷり。香味野菜は大葉・三つ葉・ネギ・パクチーで、そぼろカリーと混ぜ合わせ、ちりばめられたナッツとかみしめながら豪快に食べるのがおススメ。組み合わせ次第で香りと味わいが全く異なるから面白い。

高タンパク(プロテイン)キーマ
昼間のトミさん(東京/両国

東京都墨田区両国311-1 1F   TEL 03-3634-3311

浜名湖産の青海苔としらすのキーマカレー

人気の秘密高タンパク質メニューを提供する「カレー大學 両国アスリート食堂」。有名ホテルやイタリア老舗レストランで経験を積んだシェフの手がけるランチ限定のカレー。「浜名湖産の青海苔としらすのキーマカレー」は青のりがふんだんに入り、スパイスの配合が絶妙。釜揚げしらす・卵・トマト・ニンジン・キュウリ・玉ネギとぜいたくなトッピングで美容女子に人気。たっぷりの青のりと釜揚げしらすの組み合わせはここでしか味わえないおいしさ。

南インドキーマ
ケララバワン(東京/練馬

東京都練馬区豊玉北5-31-4   TEL 03-3991-5218

キーマブラウ

人気の秘密練馬駅から徒歩5分の南インド料理が食べられる店。本場の郷土料理やお酒も味わえる。「キーマブラウ」は、インドの長粒米を南インド製スパイスで炒めたキーマごはん。辛さは後を引くおいしさで、三角のパパド(豆や粉で作ったせんべい)を手で砕き、混ぜ合わせて食べるのが南インド風。日本のチャーハンとは違って、見た目以上にビリビリくるその辛さを体験したい。

魚介系カレー
カレーライス専門店ブラザー(東京/高田馬場

東京都新宿区高田馬場2-19-7 タックイレブン1F    TEL 080-5389-8451

鯖キーマ

人気の秘密高田馬場駅のすぐそばにあるカウンターのみの店。人気メニューの「鯖キーマ」は、トマトの酸味と野菜の甘みがサバの旨味を引きたてる。奥深いスパイスに山椒、パクチーやミョウガの香味野菜が爽快感をプラス。何度食べても飽きないという常連客の声が多い大辛の魚系キーマ。

2021 カレートレンド情報 Vol.3】

コロナ禍で、大人数の食事も長時間の滞在も難しいのが現状です。そんななかでもニュータイプキーマは、ひとりでさっと食べて帰ってこられる手軽さがちょうどいい。それでいて満足感もしっかり得られます。

さらに言えば、見た目も楽しくてテンションがグッとあがるから、食事を超えたイベント性も感じさせます。そんなところも今の時代にピッタリとハマったのだと実感しました。

インタビュアー:小原恵利子

《 Profile 》カレー大學、大学院 第1期卒業生。若い頃、カフェで提供されるインドカレーに魅せられ、ほぼ毎日カレーを食べ続けた。その後、本格的にカレーを学びたいとカレー大學、大学院を修了。子育て中は、様々なカレールウ調理やレトルトカレーにチャレンジ。現在は、カレー伝道師として日々変化するカレー業界について学び続けている。
彩ニュース 編集部代表