「中学生もおじさんも全力でプレーしています」
スポーツを楽しみたい人々が集まる「星空スポーツ広場」。埼玉県立浦和高校で毎週土・日曜に開催しています。主催しているNPO法人「浦和スポーツクラブ」の小野崎研郎さんにお話をうかがいました。
「おにいさんからおじさんまで、一度に30人くらい集まって、グラウンドでサッカーをしています」
「体育館ではバトミントンと卓球も行っていました。今は体育館が改修工事中なのでお休み中ですが、工事が終われば再開します」
夜でも大型の照明で明るいグラウンドでは、中学生から中年の男性まで、幅広い年齢の参加者がボールを追いかけ汗を流しています。
「スタートしてから14年を迎えました。小さいときに親についてきていた子が、学生になっても参加してくれていたり、子どもについてきた親が、サッカーにはまって自分でプレーするようになったり、ここでサッカーの楽しみに気づいて続けているという人もいます。10年以上一緒にやっている仲間たちも少なくありません」
誰でも参加できる場所にするために
「参加費を支払って誰でも参加できる仕組みが、生涯スポーツを取り入れるきっかけ作りになってくれればと思っています」
誰もが楽しめるようにするために、浦和スポーツクラブはさまざまな問題を解決する必要がありました。
第一に、場所の確保です。当日の飛び入り参加を可能にすることは、どのような人がどれだけ来るのか分からない状況を意味します。また、定期的に同じ場所で行えることが参加しやすくするための条件です。埼玉県と県立浦和高校がこのプロジェクトに賛同して場所を提供することになり、小野崎さんたちは近隣にあいさつにまわり、周知徹底をはかりました。
「浦和高校の協力があってこそ、星空スポーツ広場は開催できています。別の団体や施設にお声がけしても、なかなか実際にできるところまでは到達できないのが現状です」
第二に、生涯スポーツの在り方です。「誰もが生活の一部としてスポーツを行う習慣は、健康な体づくりにつながっている」と、小野崎さんは考えます。
「当初は小学生や幼稚園児の親子連れも参加可能にしていましたが、夜遅い時間まで子どもたちに起きていてもらうことになってしまいます。健康面、特に子どもの成長を考えると本末転倒ですよね。今は参加者を小学4年生以上としています」
生涯スポーツを気軽に生活に取り入れられる場所作りを目指している星空スポーツ広場。他にも同じ理念の団体が増え、誰もが生涯スポーツを楽しめるような地域環境になるよう、活動を続けています。
◆取材を終えて 新設されたばかりの女子サッカークラブ「SC-STERN(エスシー・シュテルン)」が、星空スポーツ広場と一緒にグラウンドを利用していました。「実は、さいたま市で女子サッカー部がある公立中学校は1、2校なんですよ」と小野崎さん。「さいたまと言えばサッカー」という印象を持っていた私は、とても驚きました。未来のなでしこたちが気軽にプレーできるチャンスを増やしたいという方々の思いも、星空スポーツ広場の取材を通して感じました。 取材日:2021年10月2日 塚大あいみ