トゥクトゥクとは、タイでタクシーとして使われている3輪自動車です。見た目は華やかで、走っているだけで目立ちます。「もともとは、日本で生産された古い車両が、タイに輸出され改造された乗り物です」と、トウマトゥクトゥクレンタル代表の外薗定実(ほかぞの・さだみ)さん。同社は長瀞でトゥクトゥクのレンタルをしています。
都心部から2時間圏内の観光地を探していた外園さん。秩父の自然に魅了され、古民家をリノベーションして1棟貸しの宿泊施設の経営を始めました。
宿泊者や観光客が秩父をもっと楽しむ方法として、トゥクトゥクで散策することを考案したといいます。
最大の魅力は風を感じられること!
トゥクトゥクには、ドアや窓がついていないため開放感のある乗り物です。「最大の魅力は、気持ちよい風をダイレクトに感じられること」と外薗さん。
自転車で走るときや、車で窓を開けて走るときに感じる風とは、まるっきり別ものだといいます。爽やかな風を感じながら、町なかをゆっくり散策できるそうです。
外園さんのお勧めコースは、同社前の長瀞駅入口から国道140号「荒川ライン下り」を眺めながら隣町の皆野町方面へ進み、親鼻橋を渡り対岸に周り込むコース。対岸は自然が多く、爽やかな風を感じながら散策できるそうです。しだれ桜で知られる法善寺や、とうふドーナツが食べられるお店、古くからの商店街など、観光や食べ歩きも楽しめるコースになっているとのこと。「長瀞の自然を感じられる、安全で楽しいコースをお勧めしています。無理な運転はせず、よい思い出をつくってほしい」と外薗さん。
トゥクトゥクを安全に楽しく乗りこなすことが大切!
「もともとトゥクトゥクは、日本の自動車メーカーの車両を、3輪自動車に改造したものと言われています」と外薗さん。同社では、誰でも安全に乗れるようにシフトの切り替えを、すべてオートマチックにしてあるとのこと。ブレーキを踏みながらキーをオンにすると、エンジンがかかります。原動機付自転車のようにハンドルを回すと発進し、足元にあるペダルを踏むとブレーキがかかり車両は止まる仕組みです。
「アクセルを一気に回さずゆっくり回すことで、静かに車両は動き出します」と、外薗さんが乗り方のコツを教えてくれます。そのほか出発前に、ビデオで講習し、場内でしっかり練習をしてから路上へ出てもらっているとのこと。「普通自動車免許を取得後、1年以上経過していること」や「高速道路や有料道路の走行禁止」「車両から身をのりださない」などの規約もあるそうです。
「出発時には不安そうな顔をしながら、みなさん出ていきますが、帰ってくるころには笑顔になっていますよ」と笑いながら外薗さんは語ります。安全に乗って、日常では味わえない楽しい思い出をつくってほしいとのことでした。
◆取材を終えて トゥクトゥクを沖縄でレンタカーとして貸し出していることは有名ですが、秩父でも楽しめるとは驚きました。4人乗りや7人乗りのレンタル車両が準備されていて、60分から150分までのコースが選べます。観光スポットや食べ歩きなど、秩父の名所を非日常的な乗り物で回るのも楽しそうです。 取材日:2023年6月28日 田部井斗江