ライフスタイルに合わせた乾物の活用を~老舗乾物店・轟屋

かつお節や昆布などの乾物(かんぶつ)は、乾燥させることで保存性を高めながら、うま味をギュッと閉じ込めた日本の伝統食です。かつては日常的に乾物を使ってだしをとっていましたが、そうしたことが減っている現代。乾物を使って、手軽に風味も旨味(うまみ)も豊かな料理ができる方法を、海のだし専門店・轟屋(とどろきや)の三代目社長・石井正美さんに聞きました。

川越の蔵造りの街並み、蓮馨寺(れんけいじ)に隣接する轟屋。店前に並ぶ乾物の数々は圧巻

いつもの料理にひと手間加えるだけ

いつもの料理にちょっとプラスするような感覚で使える乾物に、「煮干し粉」や「かつお粉」「鶏節(とりぶし)」などがあります。
煮干し粉は、煮干しを細かく粉末にしたもの。かつお粉はかつお節を粉末にしたもの。鶏節は、かつお節のように胸肉を加工したもので、花削りや粉末、ワサビ味や醤油味などもあります。
ほかに、同店では「元気だし」といって、カツオと昆布、カタクチイワシ、シイタケの4種類がブレンドされた粉末もあります。
「粉末の煮干しを味噌汁のだしとして使ったり、煮物にかつお粉を入れるだけで、だしをとらなくても簡単に和食が作れますよ。乾物は冷蔵庫で保管すると良いです」と石井さん。

同店に並ぶ煮干し粉、かつお粉、元気だし、鶏節など

石井さんおすすめの簡単な乾物の生かし方

煮干し粉などの乾物を生かして、簡単に風味や旨味をアップできる方法を石井さんに教えてもらいました。 

〈即席ラーメン〉
即席ラーメンを作る過程や出来上がったラーメンに煮干し粉を入れると、煮干しの香りと旨味が加わり、海鮮風ラーメンのようになります。

〈アヒージョ〉
オリーブオイル、ニンニクと食材に煮干し粉を加えて煮込むと、いつものアヒージョとはまた違った和風の煮干しアヒージョになります。

〈卵かけご飯〉
卵かけご飯に鶏節をかけ、のりで巻いて食べるのがお勧めです。

ほかに、おかゆやお茶漬けに鶏節やかつお節を混ぜて食べるのもお勧めだそうです。

「乾物は使い始めると便利ですよ。わからないことは、気軽に質問してもらえばお答えします。店の商品を見ているだけでも楽しんでもらえると思うので、川越観光の際にはお立ち寄りください」

三代目社長の石井正美さん。同店は昭和初期に創業
◆取材を終えて

煮干し粉やかつお粉を加えるだけで、風味も旨味も豊かな料理ができるのはとても便利ですね。
「さんま削り節」も人気商品です。メディアで放映された際には長蛇の列ができたそうです。
おやつ感覚でそのまま食べられる乾物もたくさんありますので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

取材日:2023年7月4日
水越初菜